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2023/11/10

受賞

【受賞】酵素反応解析学研究室 博士前期課程2年 前田峻作氏が第73回日本薬学会関西支部総会・大会にて優秀口頭発表賞を受賞しました(令和5年10月20日)。

薬物代謝酵素CYPは膜タンパク質であり、同様に膜タンパク質であるCYP還元酵素(CPR)から電子を受け取ることで代謝反応を進行させます。近年、膜タンパク質と脂質膜成分との相互作用による活性・構造の変化が報告され、CYP/CPRも同様に膜脂質との相互作用によって薬物の代謝に影響を及ぼすと考えられています。そこで本研究では、リン脂質二重層のナノ構造体であるナノディスク(ND)を用いて、脂質膜とCYP/CPRの相互作用理解を目指しました。
本研究ではコレステロール(Cho)をモデル脂質とし、ChoとPOPCの単純な脂質環境のND (単純系ND)と、Choが蓄積している脂肪肝マウスの肝臓脂質から作製した複雑な脂質環境のND (複雑系ND)を使用し、CYP2C9/CPRの薬物代謝への影響を評価しました。単純系NDを用いた評価により、膜ChoがCYP2C9の代謝活性を亢進することを明らかにしました。また複雑系NDを用いた評価により、脂肪肝由来NDにおいてもChoによる代謝活性への影響が確認された一方で、一部のパラメータに単純系NDとは異なる挙動が観察されました。そこで、リピドーム解析を実施し、Choに加えてスフィンゴミエリン等の影響の可能性も示されたため、 CYP2C9/CPRへのChoや他の脂質成分による影響に関する発表を行いました。