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SERU

SERU(学生経験調査)について
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カリフォルニア大学バークレー校が、世界中の研究大学に呼びかけて開始した学生調査。「研究大学に特化した学生調査」として、大阪大学のライバルになり得るトップクラスの大学33校(2015年1月現在)が参加。大阪大学も日本の研究大学の代表として参加要請があり、2013年からSERUに参加しています。

http://www.cshe.berkeley.edu/SERU

SERU:Student Experience in the Research Universityの略。研究大学に特化した国際的な学生調査。

seru

【主なSERUメンバー校】 カリフォルニア大学バークレー校(米国) オックスフォード大学(英国) ミシガン大学(米国) テキサス大学(米国) ノースカロライナ大学(米国) ミネソタ大学(米国) 南カリフォルニア大学(米国) パデュー大学(米国) ブリストル大学(英国) ピッツバーグ大学(米国) アムステル大学・カレッジ(オランダ) ラトガース大学(米国) ケープタウン大学(南アフリカ) バージニア大学(米国) フロリダ大学(米国) 大阪大学(日本)

未来戦略機構戦略企画室 齊藤貴浩准教授にインタビュー

Q:2013年に初めてSERUを実施した時のことを聞かせてください。

A:「SERUは大阪大学にとってこれまでにない取り組みになる」と実感しました。大阪大学が真の意味で国際的な研究大学となるうえで、文化の異なる世界水準の研究大学と比較しながら、大阪大学の教育の強みと弱みを明確にしていく必要があります。ところがこれまでの他大学が行う学生調査では、海外の研究大学と比較することが難しかった。SERUに参加することで、その一歩が踏み出せたと思います。

Q:SERU2013の分析を通して、どのようなことがわかりましたか?

A:調査前に最も大阪大学が重視していたのは、学生さんの学習時間です。当時、政策的にも「日本の大学生は勉強していない」と問題視され始めていました。その中で「大阪大学の学生はどうなのか?」という点が大きな関心事でした。ところがSERU2013の結果を見ると、総学習時間はあまり海外の大学と差はない。しかし2時間程度とはいえ、授業時間が長く、授業時間以外の学習が短いという結果が明らかになりました。しかし、米国の研究大学と比較すると、この差はもっと開いていますので、安心はできません。

Q:SERUは米国で開発された調査ということですが、その点で苦労などはありますか。

A:例えば、設問項目が日本の文脈に合わないものも当初は多く含まれていましたし、実施時期についても日本の学事暦とは合いませんでした。大阪大学が参加し、海外の大学と一緒にSERUを実施していく中で、まだ十分ではありませんが、ようやく「違いを理解してもらえた」という場面が何度もありました。

Q:大阪大学において、SERUの今後の課題を教えてください。

A:SERUは学生の主観による調査ですので、大阪大学の学生のうち、どのようなタイプの学生が肯定的に回答するのかなど、「学生の傾向」も詳しく押さえておかなければいけないと思っています。特に図表で数値だけが示されると、データが一人歩きしてしまいがちですので、気をつけなければいけません。

Q:SERU2014も現在実施中*ですが、学生・教職員の方々にメッセージをお願いします。

A:S E R U 2 0 1 4は、全学部・研究科を対象に実施しています。(※)今後も定期的に実施していく予定ですので、ぜひ協力をお願いします。実は現在、大阪大学でのSERUの回答率は、1 0 % 程度という低い割合で留まっています。学生調査の結果は教職員はもちろん学生の皆さんにもフィードバックされ、様々な教育支援や制度の見直しに活用されていきます。米国ではS E R Uの回答率の平均は3 0 % 、回答率の高い大学は4 0 %を超えます。海外の大学の学生は「教育を受けているからには、調査などで意見を示す権利がある」と考えているようです。ぜひとも、未来の阪大生のために、また将来卒業生として誇れる“大阪大学の教育”をつくりあげるためにも、今後とも調査への回答に協力してください。

※本インタビューは、SERU2014が実施されていた2014年1月に行いました。