StoryZ

阪大生にも、研究者にも、卒業生にも誰しも必ずある“物語”
その一小節があつまると大阪大学という壮大なドキュメンタリーを生み出します。
それぞれのStoryをお楽しみください。

きっかけは「ゑびす男選び」

2005年に経済学部の学生がゼミの一環で、商店街のパン屋「タローパン」の店主、堤洋一さんに取材に来た。堤さんが、取材だけで学生との縁が切れるのはもったいないと思い、地域の人たちが阪大坂を駆け上がる「ゑびす男選び」を提案したところ、学生らが面白がって実現させ、今では正月の恒例行事になった。それが きっかけとなり 「石橋キャンパスをつくろう」という理念の下、学生と商店街・地域住民が交流する「石橋×阪大」がスタートした。大阪大学のいろいろなサークルが商店街でイベントを展開する「おはこ文化祭」や、空き店舗を利用した子どものための無料塾、仕事帰りの会社員らを対象にした夜市、各店主を撮影したポスターの展示や、店ごとに今年の漢字を書いてもらうなど実に多様な活動を展開している。

年々参加団体が増え 「おはこ文化祭」

なかでもメインは「おはこ文化祭」。「大阪大学の学祭を石橋商店街で開催する」というコンセプトで、阪大のサークル・団体が商店街を中心に催しを実施する。「石橋×阪大」のさまざまな活動を通して培われた人と人のつながりにより、年々参加団体が増え、3年前に初めて開催した際に参加したのは5団体だったが、昨年11月の同祭には25団体が参加。ジャズ演奏や落語、ベリーダンス、絵本の読み聞かせや屋台の出店などがあり、大勢の人出で商店街は賑わいを見せる。


刺激のある学生生活 広がる人脈

代表の浅田圭佑さん(経済学部3年)によると、「おはこ文化祭」は各団体との参加交渉のほか、行政への手続きなど膨大な作業に追われるが、「商店街の人たちなど、普通の学生生活では関わらない人たちとつながることができた」と笑顔を見せる。宮本凌介さん(外国語学部2年)も「店主の方だけではなく、無料塾を手伝うことなどで、子供たちと接する機会も増え、いろんな年代の方と縦方向の人脈も広がった」と語る。

堤さんは「以前は商店街でイベントをしようにも、メンバーは年配の方が多く実現しないこともあったが、最近は阪大生が一緒に企画し実働部隊になってくれる。今はお客さんの多くが、阪大生が参加して一緒にイベントをやっていることを認知してくれている。今後も阪大生と商店街のつきあいが長く続いてほしい」と話す。

現在のメンバーは13人。浅田さんは「阪大に入学する前に思い描いていた学生生活とはまるで違う刺激が、『石橋×阪大』にはある。ぜひ多くの学生に参加してほしい」と呼びかけている。

(本記事の内容は、2018年9月大阪大学NewsLetterに掲載されたものです)

のびやかでひたむきな阪大生の物語『 きらめきのStoryZ 』に戻る
阪大研究者、阪大生、卒業生の物語『 阪大StoryZ 』に戻る

share !