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2022/04/26

受賞

【受賞】毒性学分野 博士前期課程1年 辻井勇気氏が日本薬学会第142年会にて学生優秀発表賞を受賞しました(令和4年4月21日)。

肝がんは罹患者数が多く、5年生存率が非常に低いことが特徴のがんです。よって、がんの早期発見、悪性化を防ぐことが重要です。しかしながら、肝がんのバイオマーカーの感度は低く、悪性度の高い肝がんに対する有用なバイオマーカーは未だないのが現状です。そこで私は、近年明らかになりつつも、不明な点が多い、GABA代謝と肝がんに焦点を当てて、バイオマーカーの確立、新規治療標的の確立を目指しました。
データベースにて標的分子を絞り込んだところ、GABA代謝関連酵素群の発現量と肝がんの予後が相関していることが判明しました。その中で、ABAT (4-aminobutyrate aminotransferase)に着目し、shRNAを用いてABATの発現を抑制した細胞を作成しました。その結果、細胞増殖能は変化がしないことが示唆され、コロニー形成能は低下することが示唆されました。現在、ほかの表現型からがんの悪性化に関与している可能性を考え、薬剤耐性化や遊走能についてABATの寄与を検証しています。本研究成果を展開させることでGABA関連酵素の肝がんのバイオマーカー確立が期待されることから、受賞に至りました。