在学生・卒業生インタビュー

2022/01/05OB・OG

阪大工学部での学びを活かし、関西の空を守っています!

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「応用自然科学科」「応用理工学科」「電子情報工学科」「環境・エネルギー工学科」「地球総合工学科」の5つの学科からなる大阪大学工学部には、めっちゃ個性あふれる多彩な人材が集まっています。
大学時代のお話や現在のお仕事についてなど、卒業生の齋藤 祐樹さんにお話を伺いました。

地球総合工学専攻
社会基盤工学コース 国土開発保全工学領域
(海岸研) 博士前期課程修了(2017年)
現 関西エアポート株式会社 基盤技術部 関空基本施設グループ
齋藤 祐樹さん

防災は安全・安心な空港運営に欠かせない取り組み

関空展望ホール「Sky View」からの眺め。滑走路の向こうでは護岸の嵩上工事・消波ブロックを積む工事が行われています。

大学院博士前期課程を修了して関西エアポート株式会社に入社し、今年で5年目になります。
ゼネコンをはじめ、土木関係の就職先はたくさんありましたが、関西が大好きだったこと、旅行や飛行機が好きだったこと、大学の出張授業で関西国際空港を見学したことが決め手となって、今の会社を第一志望に就職活動を行いました。
関西エアポート株式会社は、西日本の国際的な玄関口である関西国際空港と、大阪国際空港(伊丹空港)の運営をしている会社です。また、グループ会社である関西エアポート神戸株式会社が神戸空港を運営しているので、グループ全体では3つの空港を運営していますが、私は現在関西国際空港の基盤技術部で勤務しています。
技術部と一言で言っても、土木、建築、電気、機械、ITといった様々な業務があり、土木担当として滑走路やエプロン(駐機スポット)のメンテナンスや大規模改修工事、護岸工事、道路工事などを担当しております。その中でも現在は主に災害対策工事に関わっています。
エプロンを増やすといった、空港のキャパシティー・利便性をあげるための拡張工事もありますが、2018年の台風被害を機に、災害対策工事の重要性がさらに高まり、安全・安心を最優先とした空港運営には欠かせない大きな柱のひとつとなっています。

関西の経済を支える関西国際空港の役割の大きさを痛感しました

「災害対策工事を計画するうえで、阪大工学部での学びが活きました」と齋藤さん。

皆さんも記憶に新しいと思いますが、2018年9月4日、台風21号が関西に上陸し、関西国際空港の1期島が浸水、さらに暴風で流されたタンカーが空港への連絡橋に衝突して、人と物の流れが完全にストップし、関西経済に大きな爪痕を残しました。
災害直後は被害状況を把握しようにも連絡橋を渡れず、空港の対岸にある社宅の会議室に関係部門のメンバーが集まって会議を行う状況でした。翌日、なんとか空港までたどりつくと、浸水箇所の水を抜いて被害状況を確認し、どこから復旧すべきか計画を立てるなど、何日も泊まり込みで対応に追われました。
二度とあってはいけないことですが、関西国際空港がストップした約10日間があったことで、関西の経済を支える関西国際空港の役割の大きさを痛感するとともに、自分は日本と世界の架け橋になる場所で働いているんだなと、あらためて、身の引き締まる思いがしました。
ちょうどその頃は護岸工事などを担当するチームにいたので、災害復旧・被災原因究明・災害対策工事の計画をするうえで、阪大工学部での学びが活きたと感じています。

東日本大震災のあった年に入学し、防災に直結する研究を志す

仲の良い研究室同期メンバーとの九州一周旅行では、軍艦島にも行きました。

私が阪大工学部に入学したのは2011年です。地球総合工学科の学生は最初の1年間で、船舶海洋工学、社会基盤工学、建築工学の3つの分野を学んだうえで、自分の興味を絞り込んでいきます。
その年は、東日本大震災が発生した年だったこともあり、震災・津波の映像を見た私は沿岸域の防災の大切さを知り、人の暮らしに近い工学、防災に直結する学問である社会基盤工学(土木工学)に興味を持ちました。
学部生の頃は、勉強はそこそこに、スポーツやコンサートなどのイベントスタッフのアルバイトばかりしており、あまり良い学生とは言えなかったかもしれません(笑)。授業では外部からの出張授業もあり、その中で関西エアポート株式会社からの出張授業もあり、空港における土木職の仕事に興味が深まったことを覚えています。今では阪大生を迎える側の立場になり、毎年土木構造物や仕事の紹介をしています(笑)。

アルバイト三昧の学部時代から一転、研究室配属後はめっちゃ研究に没頭!

ゼミ合宿で訪れた黒部ダムでの1枚。

4年生からは国土開発保全工学領域(海岸研)に入り、心をいれかえて!?研究に没頭しました。4年生では波による砂浜の浸食メカニズムについて、大学院では高波が作用した時の消波構造物の安定性について研究をしていました。
海岸研の先生は寛容な方ばかりで、雰囲気はとても明るかったです。留学生が多い研究室で、最初にペアを組んで一緒に研究していたベトナム人とは、慣れない英語でのやりとりが大変でした。当時はとても苦労しましたが、今の職場の上司も外国人で普段のたわいもない会話は片言の英語!?なので、研究室での経験が仕事の様々なところで役立っていてとても感謝しています。

阪大で学べて良かった!就職の推薦枠が多いのも魅力です

笑顔がとっても素敵な齋藤さん。「結果オーライ!阪大で学べて良かったです」。

入学するまでは、阪大が自分に合う大学か少し不安がありましたが、入学してからの6年間で自分の道筋ができ、希望の就職先にも入れました。阪大工学部の学生は、コミュニケーション力と学力の両方を持つバランスの取れた人が多くて、周りの学生のレベルも高く、阪大で学べて良かったなと思っています。
あとは、就職の推薦枠が多いことも魅力だと思います。今の会社は推薦にないので自力で就職しましたが(笑)、同じ部門だと、ほとんどの学生が第一志望の就職先にきまっているかと思います。やっぱり阪大ブランドは強し!です。

※写真撮影にあたり、感染対策を行った上で、マスクを外して撮影しています。

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