・概要
第73回日本薬学会関西支部総会・大会（令和5年10月14日）
　「ヒトiPS細胞由来腸管オルガノイド単層膜を用いた薬剤性消化管障害の予測」
優秀口頭発表賞
浦谷 悠生（分子生物学分野 学部4年）

下痢症をはじめとする消化管障害は薬剤による治療で発生する一般的な副作用であり、こうした副作用の発生を正確に予測することは薬剤の安全性評価において非常に重要です。薬剤によって引き起こされる消化管障害の予測をin vitroで行った研究は既に複数報告されていますが、それらの報告で用いられた系には種々の問題がありました。我々は以前本大会で、ヒトiPS細胞から分化誘導した腸管上皮細胞由来の腸管オルガノイド（ELCオルガノイド）を開発し、ELCオルガノイドを独自の技術で単層培養したELCオルガノイド単層膜（ELC-org-mono）は高機能な腸管モデルとして利用できる可能性があることを報告しています。今回は薬剤性消化管障害を予測するin vitro評価系としてのELC-org-monoの有用性について報告しました。