StoryZ

阪大生にも、研究者にも、卒業生にも誰しも必ずある“物語”
その一小節があつまると大阪大学という壮大なドキュメンタリーを生み出します。
それぞれのStoryをお楽しみください。

「マット土俵」で稽古の日々

大阪大学相撲部は、常設の土俵がないため、コンクリートに敷いたマットを土俵代わりにしている。この「マット土俵」は、土の土俵と違い、取組時に相手の突進を滑りながら受け流すことが出来ないため、土の土俵を使用する大会本番を想定した稽古環境として大きな問題があるだけでなく、土俵外に大きく飛び出して倒れた際に、コンクリートで頭を打ち怪我をする危険性もある。

また歴史が創部4年と浅いため、指導者もいない。そのため稽古の内容は、部員が自分たちで考えなければならない。

このような逆境にも負けず、主将の中山皓太郎さんは、相撲入門書や動画を徹底的に研究し 稽古方法を考案 副主将の新田龍生さんが「同じ階級の強い選手の映像を何度も 見て 自分の動きに取り入れた と話すよう 阪大生ならでは 〝頭脳 を生かしている

私学の強豪から頭脳戦で金星

そうして迎えた2016年7月の第41回西日本学生相撲個人体重別選手権大会。この大会は、中山さんが過去2回、初戦敗退するなど、国立大学勢は殆ど結果を残せていない。

結果は、副主将の新田さんが初出場にもかかわらず65㌔未満級個人3位、主将の中山さんが85㌔未満級での個人優勝の快挙を達成した。

次は「団体戦優勝」を

相撲の醍醐味について、中山さんは「ルールが単純なだけに奥が深い。自分に合った戦い方をすれば、誰でも活躍できる」、新田さんは「自分より体が大きい相手を負かした時が一番嬉しい」と語る。

逆境にめげず掴んだ金星に感銘を受けた各所の人々から支援が集まり、より良い練習環境も整いつつある。

「これで、もっと強くなれる」と中山さん。主将・副主将の活躍は部員たちの心にも火をつけた。

次に狙うは「団体戦優勝」だ。

相撲部

2016年7月開催の第41回西日本学生相撲個人体重別選手権大会で強豪の私学勢に勝ち、主将の中山皓太郎さん(経済学部3年)が85㌔未満級で優勝、副主将の新田龍生さん(経済学部3年)は65㌔未満級で3位に輝いた。
「もっと強く」の想いを胸に、部員らはコンクリートに敷いたマットを土俵に、稽古を重ねている。

■大阪大学相撲部…2012年創部。部員数は12人(うち2名が女性)。火・金曜日は近隣小学校の土俵を借りて、土曜日は豊中キャンパス第2体育館前ピロティに敷いたマットの上で稽古を重ねている。


▲大阪大学ニューズレター74号見開きページより

(本記事の内容は、2016年12月大阪大学NewsLetterに掲載されたものです)

share !